愛知県稲沢市在住の【中小企業診断士✖️IoTプロフェッショナルコーディネーター】が、ものづくりの楽しさを簡単にやさしくお伝えする《いなきたものづくり・がちゃラボ》です。
前回はIoTが注目されているわけとして、働き手の減少・過疎化の進行という2つの理由を説明しました。
今回は、別の側面として、「ビジネスチャンス」「儲かる」という視点から、IoTが注目されているわけをお話ししたいと思います。
市場規模
ここにIoTの市場規模(どれくらい売れるのか)を示したグラフがあります。
このデータによると、2030年にはIoTの市場規模は、世界で400兆円と言われています。
金額が大きすぎてイメージがつかないかもしれません。例えば、時価総額で上位のアマゾン、マイクロソフト、アップル。この3社の市場価値の合計額が、執筆時点(2019年4月)で270兆円。400兆円ということはこの3社をもう1つゼロから作り上げたとしても、まだ足らないような金額です。
そう考えると、IoTの市場規模がいかに大きくなると予想されているかご理解頂けたかと思います。
デバイスの数
IoTに関連するデバイス、CPUやICなどという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、それらデバイスの数が2030年には2016年比の5.2倍、1,250億個になると予想されています。
執筆時点(2019年)の世界人口が75億人のため、その16倍。もうよく分からないくらい多いですね。今後、非常にたくさん増えてくるということです。
どのような製品が生まれるの?
このように、IoTの市場は拡大しお金が集まると予測されています。そのため、様々な企業が投資を増やし、そして新たな製品を開発し投入しているのですね。
では、今後どのような製品や技術が誕生するでしょうか。生み出す側の企業は今、どのようなものづくりを行なっているのでしょうか。技術動向を見ていきましょう。
小型化=より小さく
1985年に、日本で初めてとなる携帯電話が誕生しました。筆者はまだ小さかったため、全く記憶にありませんが、電話を持って移動するというのが当たり前では無かった時代です。
その最初の携帯電話ですが、どのような形だったでしょうか。それはまるでショルダーバッグのような大きさで、ショルダーフォンと呼ばれていました。実物は見たことがありませんが、写真を見る限りでは「持ち歩くの大変だなー」という大きさでした。
そこから数十年、今皆さんがお使いのスマホは、とても小さくポケットにもすっぽりと収まるサイズまで小さくなりました。(近年はポケットサイズとは言えないサイズのものも登場していますが)。
これはスマホという製品だけではなく、その内部にあるcpuやメモリーの小型化という技術に支えられています。
スマートウォッチも、小型化できたので商品として成立していると言えます。
場所を取らない、軽い、持ち運びできる、そういったユーザーのニーズはどんどんと高まるため、企業としても更に小型化に向けた研究開発が進んでいくと考えられます。
省電力化=少ないパワーで動き続ける
例えば、離れた地域に住むお年寄りの見守りを行う製品の場合、1ヶ月に1回の電池交換が必要となったら、皆さんどうでしょう。
そのような製品を買いたいですか?
高齢者の方が毎月電池を交換してくれれば良いですが、忘れずにとなると現実的ではないですよね。また、じゃああなたが毎月電池交換のために帰省をするとなると、本末転倒ですね。
ビニールハウスの温度をモニタするIoT製品があったとして、1週間で電池が切れます、と言われたらどうでしょう。
だったら、自分で測る!ってなりますよね。
このように、常に何かを見守りたいというシステムの場合、いかに長く電池を持たせるか、が鍵となります。
そのため、各企業はIoTデバイスの省電力化を進めています。省電力で、システムをより長くて使おうということですね。
さいごに
さて、ここまで見てきた通り、IoTの市場は今後も大きくなると予想されます。そして多くの企業が参入し、より良い技術が開発され、更に魅力的な商品が作られていくことでしょう。
IoTプロフェッショナル・コーディネーターの筆者にとって、ますます楽しみな世界が待ってそうです。
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